【幽幻の蝶】 in 白玉楼

幽々子さまスキーな亡霊が感じたり考えたりしたことを気ままに書き連ねていく場所。 文章専門同人サークル【幽幻の蝶】の活動報告所としての役割は、2014年開催のコミックマーケット86をもって終了いたしました。

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冬ですよ~。冬コミの情報ですよ~

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コミックマーケット77・2日目<2009・12・30>
【幽幻の蝶】(ゆうげんのちょう)

配置スペース:東5ホール ノ‐14b
 
頒布物:新刊『胡蝶揺籃』        ¥400
    (お燐×幽々子/全年齢向・小説本)
    ・“仕事”のため地上へ出たお燐に、幽々子が目をつけて……!?
※表紙・挿絵を【173temple】のケム犬さんにお願いしました。
 またゲストに【JJSS】の草薙ゆーとさんをお招きしています。
 なお、今回の新刊は委託しません。ご注意下さい。


 他に、既刊(『胡蝶佇橋』・『胡蝶泰然』/いずれも¥400)を持ち込みます。
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 表紙サンプルはこちら↓。
表紙1のみ
 信頼と安心のケム犬さんクオリティ!

 本文サンプルの方は《続きを読む》以降に掲載しておきますね。


「お姉さん。こんなところに何の用だい」
 お燐は自分から声をかけていた。女性はゆっくりと首を傾ける。桜色の髪が顔の動きに追いつき肩を覆った。
「あら。猫さん?」
 目を何度かしばたかせた女性は静かな笑顔を浮かべていた。ふわふわした髪はさとり様に似ているような気がした。
「お墓の前で猫さんに会うなんて、ちょっとびっくり」
「心配しなさんな。別に取って喰ったりはしないからさ」
 今はね、と心の中だけで付け加える。
「墓参りかい」
「さあ。どうでしょう」
 女性の手が動く。お燐の目の前で扇が音もなく開かれ、女性の口元を覆い隠した。
「あなたは地下の猫さんかしら」
「うん、そう。って、お姉さん。あたいのこと知ってる?」
 扇の上から見える女性の目が細められた。お燐の目じりもつられて下がる。
「それは冗談として。あなたこそ、ここへは何をしに来たのかしら」
 こちらを覗く瞳。色は濃い、日光に溶けることのない桜色。相対したお燐の瞳が縮こまった。

 ▲

(速い!)
 死体満載の猫車を押しているとはいえ、貯蔵庫と火炉とを長年往復し鍛えてきた自分の足に負けず劣らずとは。人間かと疑いたくなる健脚ぶりだ。あるいは自分のように人の形を取れる妖怪か何かだというのか。だとしたら誰が
「見つけたぞ!」
 新手の声。前かがみになっていたお燐の背筋が伸びた。
(こんなときに!)
 お燐は舌を打った。寒風に叩かれ続けていた耳の感覚はとうになくなっていたが、声を聞き取る程度に機能してくれている。柄を握る指も金属製の柄と一体化したかのように固まっていた。
「……やるしかないね」
 唇を舐なめたお燐は頭を下げた。視界は山盛りの燃料の上、ほんのわずかだけ。網の目に髪がかするが指や頬を切るよりはマシだと言い聞かせた。柄を左右でたらめに振って進む。風が刺さる痛みに眉が崩れた。だが足取りは崩さない。
「はあっ!」
 背を叩くかけ声を右に飛んでかわす。もう一人の追っ手の声をお燐は初めて聞いた。鋭く、引き締まってはいたが
(幼い)
 お燐にはそう思えた。だからといって油断や手加減はできないのだが、いい意味で肩の力が抜けた。必死なのは自分だけではないのだ。
 影はすぐに追いついてきた。息つく間もなく足元から砂煙が舞い上がる。後方を確認もせずお燐は跳んだ。つかの間、重力からの解放。夜闇よりも濃い影が網目のように立ちふさがる。まだ動く指のすべてで柄の硬さを確かめる。進路に張られた網をつむぐ糸の太さまで見えた。葉はほとんどついていない。いける。
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テーマ:同人周辺 - ジャンル:サブカル

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