【幽幻の蝶】 in 白玉楼

幽々子さまスキーな亡霊が感じたり考えたりしたことを気ままに書き連ねていく場所。 文章専門同人サークル【幽幻の蝶】の活動報告所としての役割は、2014年開催のコミックマーケット86をもって終了いたしました。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

例大祭の頒布物情報、上げました。

※5月4日に開催される『幽明櫻に』についての頒布情報はこちらをご確認ください。

テーマ『春ですよー! 春が来ましたよー!!』
 ↑今回の表紙。幽々子さまの柔らかい笑顔に癒されます。
 なんとか入稿を済ませました。そんなわけで例大祭の方の頒布物情報です。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
博麗神社例大祭(代替日程)<2011・5・8>
【幽幻の蝶】(ゆうげんのちょう)

配置スペース:東6ホール え‐06a

〖頒布物〗
新刊『胡蝶遊舞』        ¥400
    (幽々子中心/全年齢向・小説本)
・幽々子の命を受け、探し物を求める妖夢を描いた物語。
 妖夢を介抱する幽々子と、それに関わった鈴仙とのやりとりを描いた物語。
 冬の終わりを彩る、二篇の短編小説を収録しています。

※表紙・挿絵を【Floresta Prateada】の筅氷雨さんにお願いしました。

新刊『Ghost & Black butterfly』  ¥200
    (紫×幽々子/全年齢向・小説本)
・幽々子と紫の過ごす、しっとりとした一日を描いた短編。
※表紙を【Floresta Prateada】の筅氷雨さんにお願いしました。


 他に『幽明櫻に』の新刊となります『胡蝶南風』¥400、並びに既刊(『胡蝶渦翔』¥400/『紅龍抄』¥300)も持ち込みます。
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
『胡蝶遊舞』の本文のサンプルは《続きを読む》以降に置いておきますね。
『Ghost & Black butterfly』に関しては短編ということもあり、表紙ならびにサンプルの掲載を見送らせていただきます。

 明日1日が『COMIC☆1』、4日には自分も参加する『幽明櫻に』、5日には『紅月ノ宴伍』(さらに3・4日は『:『SUPER COMIC CITY 20』、5日に『COMITIA』など)と怒涛のイベントラッシュですね。もちろん、それらとは関係なく(海外)旅行などにお出かけの方もいらっしゃるでしょう。
 東日本大震災の傷跡がいまだ深く残る日々ですが、過度の自粛は控えつつ、前を向いて進もうと思います。

 それでは当日、会場にてお会いしましょう!

《追記》
【てきとーに。】さん、いつも捕捉ありがとうございます!
「ねえ妖夢。剣を探してきてちょうだい」
 正座を崩さずに待っていた女性が声をかけた。妖夢が仕える主にして、白玉楼の当主。さらには冥界の管理者でもある女性――西行寺 幽々子は人懐っこい笑顔を浮かべていた。
 一方の妖夢はといえば、お盆を置くことも忘れ、入口に立ったまま、細くしなやかな瞳を大きく見開き、お使いを命じた主の顔を凝視していた。
「ゆ、幽々子様? どういうことでしょうか」
「どうもこうも。そのままの意味よ」
「そのままの、意味」
「そう。欲しい剣があるのよ」
「あ、ああ……!」
 卓の上にお盆が飛び乗った。音につられた幽々子が顔を向ける。茶筒が倒れ、お盆を飛び出したところを伸ばされた妖夢の腕が押しのけた。茶筒は幽々子目がけて一直線に転がってくる。空色の着物が動き、袖を卓の淵に差し出す。茶筒は裾から現れた手に受け止められた。惨状の可能性を踏まえながら垣間見たお盆の上には湯飲みが二つとも、立ったままの状態を維持していた。妖夢の力量か、偶然か。きっと後者だろう。
「幽々子様の剣術指南役を師匠から引き継いで幾星霜……ようやく! ようやく幽々子様が、みずから剣を持ちたいとおっしゃる日が来たのですね!」
「大げさね」
「そんなことはありません!」
 銀髪が跳ね、一気呵(か)成に正面から迫ってきた。迎え撃つ幽々子は背をそらすことなく、笑顔も正座も崩さなかった。半霊は妖夢の顔の近くで頭を左右に揺らしていた。迷っているのか、それとも慌てているのか。あるいは己が半身を止めようとしているのかもしれない。
だが、堰(せき)を切られた言葉は止まらない。
「いくら私が勧めても『そんな無粋なことはしたくないわ』とおっしゃって、手に取ろうとなさらない。刀には鍛えられた、純粋な、研ぎ澄まされた美しさが込められているというのに、なんともったいないことか! ……いえ、それも私が未熟ゆえのこと。歳月を積み重ねた刀の持つ魅力を幽々子様にきちんとお伝えできなかったこと、この私に非がございます」
細く、品よく整えられた眉の端に初めて苦笑の色が灯った。弁舌を受け止める桜色の瞳をそらすことなく、幽々子は転がったままだった茶筒に手を添えて立たせた。勢いに乗った両手が卓を叩く音が、そんな落ち着きを打ち消すように部屋の四方八方を駆け抜けた。
「ですが、この魂魄 妖夢! 庭師と共に引き継ぎながらも、名前だけにとどまっていた剣術指南役のお役目に賭けて、必ずや幽々子様にふさわしい刀を見つけてまいります!」



「こんにちは。永遠亭の者です」
 玄関の床に映る影の頭頂部からは細長い耳が二本飛び出している。幽々子は引き戸を開け来客へと笑顔を向けた。昨日ここに来たときとまったく変わらない、硬まった顔がぎこちない会釈を返した。
「昨日の今日で恐縮ですが、具合はいかがですか?」
「おかげさまでだいぶ元気になったわ。無理して外に出ようとするくらいにね」
「それは……」
「もちろん止めたわよ。今は眠っているところ」
「そうでしたか。失礼しました」
 身体の前で手を重ね、頭を下げる姿――昨日今日見ただけとはいえ、このウサギの真面目さが感じ取れる――に、幽々子はふと親近感を覚えた。すぐに自身の従者の姿が思い浮かんだ。
「それを聞いて安心しました。では、これで失礼します」
 閉められようとする戸を幽々子の手が押しとどめた。 赤い瞳が流れる。引き戸にかけた色白の手を無理に押し返そうとする気配も力も感じられなかった。
「ウサギさん。時間はあるのでしょう」
「え、はい。まあ」
「お茶の一杯くらいお出ししますから。どうぞ」
音もなく戸が滑り、顔だけを覗かせていた律儀な来客の姿があらわになる。幽々子の見立てどおり、彼女の手に昨日見た薬箱はなかった。
 昨日同様、幽々子はお茶とお茶請けを自分で選び、客間へと運んだ。鈴仙は相変わらず顔を伏せがちだった。
「安心して。お茶も食べ物も里で買ってきた物よ」
 差し出された言葉に、鈴仙はもう一度会釈をした。
「ここは冥界だから、出された食べ物を警戒する気持ちはわからないでもないけれども。ねえ、あなたが私と目を合わせようとしないことにも理由があるのかしら」
 短く息を飲む音が客間に現れた。幽々子が求めた瞳は薄紫の幕の奥へと隠れてしまう。
「気になるのよ。あなたがそうやって隠そうとするから」
「……からかわないでください」
「あら。心外ね」
 穏やかさは失わないながらも、声に――薄皮一枚程度だが――力がこもった。
スポンサーサイト

テーマ:同人活動 - ジャンル:サブカル

サークル情報 |
| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。